今、楽しみにしている漫画で、単行本を集めているのが、「バガボンド」と「テラフォーマーズ」と「機動戦士ガンダム サンダーボルト」なんですが、いずれも次の巻がなかなか出ない・・・
理由は作者が休筆してるだとか、病気になっているだとか色々なんでしょうが、そんな
中「機動戦士ガンダム サンダーボルト」の13巻がやっと出ました。
12巻が出てからおよそ10ヶ月ぶりといったところでしょうか。
作者である太田垣康男氏の利き手である左手の腱鞘炎の悪化しているのが原因のようですが、13巻の第106話から第114話のうち、第109話以降の画風が変更しています。
他の作家の作品でも最初の頃から画風が徐々に変わっていくことはよくあることですが、太田垣康男氏の場合のような作品を生むために酷使してきた利き手に深刻なダメージによる画風変更は稀ではないでしょうか。
以前の様に綿密な書き込みによる自身の作風を封印しても、ガンダムや今後の作品を表現していきたいという前向きな姿勢に増々「機動戦士ガンダム サンダーボルト」を応援したくなりました。
■【ネタバレ注意】機動戦士ガンダムサンダーボルト12巻までのくだり
とは言え、前回12巻から10ヶ月も月日が流れていますので正直、物語がどういう展開だったか13巻を読む前に記憶をたどる必要があります。
サンダーボルト12巻のおおよそのくだりは、連邦に敵対する南洋同盟支配下領域で、この物語の中核となるモビルスーツ、サイコ・ザクの製造工場がある島にアトラス・ガンダムのパイロット、イオ・フレミングの乗艦である強襲揚陸艦スパルタンが高高度からの島への上陸作戦を開始する。
しかし、元ジオン公国軍リビングデット師団の凄腕スナイパーだったサイコ・ザクを操るダリル・ローレンツのビーム砲台の狙撃をうけ出鼻をくじかれる。

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ダリルの攻撃によりアトラス・ガンダムとガンキャノン、ガンダムヘッド3機からなるトラスト部隊も散々となるが、イオはビアンカのガンキャノンと共に海中から島の中心部にあるとされるサイコ・ザク製造工場に向かう・・・
と、いうような展開でした。
■サンダーボルト13巻109話以降の画風について
サンダーボルト13巻109話以降の画風ですが、109話目以降は少々ラフタッチな絵になってるかなと思います。
特にメカや基地内背景画が、これまでの太田垣康男氏が描いてきたシャープで繊細な描き込みとは違います。
同じ巻で読み進めて行くと急に画風が変わると、戸惑うのではと不安に思いながら読みましたが、それほどの違和感はありませんでした。
次の巻が出たらまた読み進めたいと思います。
■太田垣康男氏にはモビルスーツのデザインを自由にする権利がある!?
機動戦士ガンダム・サンダーボルトは、機動戦士ガンダムのスピンオフのコミカライズ作品であることは言うに及びません。
でも、初回から登場するモビルスーツのデザインがジムにしろ、ザクにしろオリジナルとは少し違います。

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しかし、作者の太田垣康男氏の名前の下に小さく原案:矢立肇・富野由悠季と書いてあります。
という事は、初代制作元のサンライズも認めている正式なスピンオフ作品という事になるのですが、オリジナルからすると、あまりモビルスーツのデザインをいじられるのは物語の世界観から見て、あまりよろしくないのではと思いますが、
太田垣康男氏自身がサンライズ担当者に直接、機動戦士ガンダム・サンダーボルトを描くにあたり、モビルスーツデザインを変えたいと申し出たそうです。
でも、サンライズ側からは、デザインを変えるのは構わないが、ガンダムの歴史には載りませんと言われたとか。
アニメ化もプラモデル化もありませんけど、いいんですか?と念押しされたようですが、純粋にマンガだけを描きたかった太田垣氏は、それでいいですと返事をし、モビルスーツのデザインを自由に出来る権利を得たそうです。
実際には機動戦士ガンダム・サンダーボルトはアニメ化もガンプラ化もされているので、サンライズ側も太田垣氏に対しての信頼はあったんでしょう。

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